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ストーリー

出産祝いの親友にゆりかごをプレゼント


今朝からずっと眠気がやってくるのはポツポツと降り続ける雨のせいだけではない。
大好きだったはずのキルフェボンのマンゴータルトが半分残ったままテーブルに置いてある。
眠たい目をこすりながら私はiPadで知らない誰かが書いたブログを眺めている。

高校時代からの親友であり悪友でもある優子に赤ちゃんが生まれたと報告があったのが昨日の夕方。
すぐにでも駆けつけたかったけど、実家近くの病院での出産だったから片道2時間はかかってしまう。
だから優子と赤ちゃんに会いに行くのは自宅に戻ってきてから。それまでに出産祝いを決めておきたかった。


優子はいつも自宅で翻訳の仕事をしているので、出産前ぎりぎりまで無理のない範囲という約束で実家で仕事をしていたそうだ。
出産後も山のように積まれている仕事を片付けなくてはいけないらしい。
旦那さんのヒロくんも雑誌の編集の仕事が忙しくて帰ってくるのは毎日終電。忙しいふたりは上手に子育てできるのだろうか。

せっかく贈る出産祝いなのだからありきたりな物ではなく、そんな2人の子育てが楽になるものがいい。
赤ちゃんが生まれたらどんなことで困って、どんなことで喜ぶのか。
実際にお母さんになった人の声を聞いてみたくて、私はさっきから初心者ママさんのブログを検索して読んでいる。


新しいブログページを開いたところで1枚の写真が目にとまった。ゆりかごの中で眠る可愛らしい赤ちゃんの写真。
でもゆりかごがどこかおかしい。過去のページを遡って調べてみるとダンボールでで作られたゆりかごを購入したというページが見つかった。そしてこのゆりかごを使うようになってからいつでも赤ちゃんと一緒にいられるから子育てが楽しくてしかたないと書かれている。

そうだ。生まれたばかりの赤ちゃんとお母さんはいつだって一緒にいたいんだ。
ずっと抱っこすることはできなくても、できるだけ赤ちゃんとお母さんは同じ空間にいられるほうがいいに決っている。
仕事をするとき、料理をするとき、リビングでくつろぐとき。簡単に持ち運びができるこのダンボールゆりかごならどんなときも一緒にいられる。


「これだ!」と私は小さくガッツポーズをしてリンクが貼られていた先にあるネットショップでダンボールゆりかごを注文した。

これでもかというくらいに空が青い日の朝、私はネットショップから届いたダンボールゆりかごを両手で抱え、お気に入りの幸せを運ぶ黄色い車に詰め込む。となり町にある優子とヒロくんが暮らすマンションにはかわいらしいヨーロッパ風の名前が付いているけれども何度読んでも覚えられない。


玄関で私を出迎えてくれたのはヒロくん。お父さんになってちょっとは頼れる男になったかと思ったけど、相変わらずのお調子者。私の手にあるダンボールゆりかごを見るや「なにこれ?なにこれ?」とはしゃぎ始める。

「出産おめでとう。これ出産祝いね」と言いながらダンボールゆりかごをヒロくんに手渡した。
「ちょっと見て見て、ダンボールゆりかごだって、これすげー」とヒロくんはお客さんであるはずの私をほったらかして優子のいるリビングへと戻っていった。
「ごめん相変わらずで」「相変わらずで安心した」苦笑いしながら優子は生まれたばかりの咲希ちゃんを私に抱っこさせてくれる。咲希ちゃんは小さくてふわふわしてて頼りない存在。いまにも消えてなくなってしまいそうだ。

「組立ったよ、咲希喜ぶかな?ちょっと寝かしてみてよ」ヒロくんがせかすので、私はぎこちなくゆりかごにおろそうとするけどどうも上手く下ろせない。「代わって」と優子が咲希ちゃんを受け取り、そっとダンボールでできたゆりかごに咲希を下ろしてみせる。 最初は今にも泣きそうだった咲希ちゃん。それでも優子がゆりかごをゆっくりと揺らすとその表情がみるみる明るくなっていく。「どうよ、すごいだろ」とまるで自分の手柄のように言うヒロくんにツッコミを入れる優子。

絵に描いたような幸せな家庭が目の前ににあって、私の目に突然涙があふれてきた。

「何泣いてるのよ〜素敵なお祝いありがとね」そう言った優子の目も、私の涙につられたのか涙が浮かんでいる。泣きそうになりながら、それでもひまわりのような明るい笑顔で優子が言う。

「次はトモの番だね」

なんでわかったのだろう、私が妊娠していること。
「やっぱり優子にはかなわないな」そうつぶやくと私のお腹の子どもが小さくうなずいてくれたような気がした。
この子が生まれたとき、優子もきっとダンボールのゆりかごを私たちに贈ってくれるのかな。
私とこの子がずっと一緒にいられるようにと。

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